2007年 04月 11日
シカゴの軌跡
このアルバムはテリー・キャスが書いた曲 「Introduction」 で幕を開けます。
'69年のシカゴの2枚組(当時LPで)のデビュー・アルバム 「シカゴの軌跡」。
自分の生まれた頃に発売され、同じくらいの歴史をもつこのアルバムが好きです。
このデビュー・アルバムの曲作りには、ロバート・ラムが多く参加しています。
「Does Anybody Really Know What Time It Is?」 「Beginnings」 「Questions 67 & 68」 らはいずれも彼の曲で、アルバムからシングル・カットされヒットした曲でした。
ほかにも彼は 「Listen」 「Poem 58」 「South California Purples」 の曲を作り、「Someday (August 29, 1968)」 を、ジェイムズ・パンコウと共作しています。
また、彼のボーカルも秀逸です。
まだこの時代、ピーター・セテラのボーカルは曲数面でも控えめですが、たしかにすばらしい歌声です。
それよりもここで彼のすばらしいのは、ベースですね。
特に、中でも 「Listen」 では。力強い彼のベース演奏をきくことができます。
この曲、とってもバックの演奏が印象的に残る名曲です。
後の時代のシカゴやソロ・アルバムなどでも、すばらしい歌声を聴かせてくれる彼らですが、この初期の彼らの若い声を聴くのもなんだかなつかしく、そしてたのしい。
でも、初期のシカゴの曲を聴いていていちばん感じるのは、テリー・キャスのギターのすばらしさ。
その存在が、陽気なジェームス・パンコウが主に手がけるホーン・セクションとともに、初期のシカゴのサウンドを支えていたことを知らされます。
Chicago Transit Authority (シカゴの軌跡) / Chicago Transit Authority (Chicago)
1. INTRODUCTION (イントロダクション)
2. DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS ? (いったい現実を把握している者はいるだろうか?)
3. BEGINNINGS (ビギニングス)
4. QUESTIONS 67 AND 68 (クエスチョンズ67/68)
5. LISTEN (リッスン)
6. POEM 58 (ポエム58)
7. FREE FORM GUITAR (フリー・フォーム・ギター)
8. SOUTH CALIFORNIA PURPLES (サウス・カリフォルニア・パープルズ)
9. I'M A MAN (アイム・ア・マン)
10. PROLOGUE, AUGUST 29, 1968 (1968年8月29日シカゴ、民主党大会)
11. SOMEDAY (AUGUST 29, 1968) (流血の日)
12. LIBERATION (解放)
結成当初のシカゴ。
のちにシカゴの各メンバーが目指す音楽の違いによる対立やレコード会社との対立のため、彼らのやりたいことが、そのままアルバムの内容へストレートに結びつかなかった時代がありました。
ただこのアルバムから始まる初期のアルバム3枚を発売していたころの時代は、間違いなく彼らがバンドとしてやりたいことが統一・尊重されていて、それがそのままストレートに表現できたアルバムであり、それが今もたのしいサウンドとなって、ズンズンとこころに時代を越えて響き、伝わってくるアルバムだと思います。
だからこそ、好きになってしまうのでしょうね。